火星の大気にはわずかながら「メタン」が含まれています。メタンは自然現象だけでなく生命活動によっても放出されるため、その起源が注目されています。しかし、火星のメタンには多くの謎があります。その1つが、激しい濃度変化を示唆する測定結果です。 ロスアラモス国立研究所のJohn P. Ortiz氏などの研究チームは、火星のメタン濃度は大気構造の変化によって1日以内の短時間でも変動すると考え、計算を行いました。比較的簡易なモデリングではあるものの、その結果はこれまでの測定結果を裏付けるものでした。もしもこの研究内容が正しい場合、日の出の直前にメタン濃度の激しい上昇が予測されるため、Ortiz氏らはこの時間帯に計測が行われることを期待しています。 【▲図1: NASA (アメリカ航空宇宙局) の火星探査車「キュリオシティ (マーズ・サイエンス・ラボラトリー)」(Credit: NASA, JPL-Ca