売り上げを上げようと思っても、データとなる数字がなかったらしいですね。 池田:球場に来ていただいたお客様についての数字は何もありませんでした。集計するシステムもなかった。ですから調査員やアルバイトを雇って、観客数とか年齢層とか、取れるデータをすべて集めました。 そして自分の感覚と合わせていったのです。たとえば、こういうイベントをすると500人くらい増えるとか、雨だとこうなるとか。そうやって数字を把握していきました。 大きな仕掛けを打ち出して一気にボーンと満席にするということではなかったわけですね? 池田:そうです。すべてが積み重ねです。例えば、ずっと試合を観ていると、イニングとイニング間に多くの方がトイレに立つことがわかる。観客がずっと座っていれば、ビールが売れる時間も長くなる。イニング間を楽しくすればリピート率も上がる。既成の概念を超えて考えることができれば、イニング間をトイレタイムにさ