見た目年齢のためにもたんぱく質を摂ろう 同じ年であってもその様子には大きく差が生まれます。同窓会などへ行ってみても、外見が若々しく見える人もいれば、周囲よりも10歳、20歳くらい年齢が上に見える人もいます。 どうしてそんなに見た目に差が出てしまうのかというと、大きな要因となるのは「たんぱく質を摂っているかどうか」です。 妙にシワが多かったり、体がしぼんでいるように見えたりする人は、実は肉や魚といったたんぱく質を摂らず、玄米や野菜の味噌汁、蕎麦やうどん、鍋ものといったあっさりした食事ばかりを食べている傾向があります。 玄米や野菜の味噌汁、蕎麦、うどんなどの食事は、たしかに日本の伝統食であり、体に良さそうに思えます。健康診断の数値で言えば、コレステロールや血糖値も低くなりますし、消化も良い。ただ、これらの食事を続けていると、たんぱく質不足に陥りがちです。 たんぱく質は、筋肉や血管などを丈夫にす
一人暮らしで誰にも看取られず、何日も経ってから発見される、という「孤独死」を恐れる人も多いでしょう。しかし、よくよく考えてみれば、数日経ってから発見されるということは、死ぬ直前まで元気だった可能性が高いわけです。 今は、要介護認定を受けた高年者であれば、ほぼ例外なく、なんらかの福祉サービスとつながっています。日常的な支援が行われているので、体調が悪ければすぐに病院に連れて行かれて、孤独死はなかなかできないのです。 孤独死したということは、自殺などのケースを除き、理想の生き方とされる「ピンピンコロリ」が実現できたということ。直前まで寝たきりにもならず、元気に生き、眠るように最期を迎えるという、なかなかできない死に方ができたわけです。 一人暮らしの人ほど認知症は進まない 皆さんは「認知症になりたくない」とおっしゃいますが、一人暮らしは認知症予防の最高の方法です。私は、一人暮らしを続けている認知
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■互いの相性が問われるとき 若くして結婚した夫婦は、仕事や家庭に忙しい。子供がいればなおさらで、2人が向き合う時間はほとんどない。60代からの夫婦こそ、向き合う時間だろう。 「60代以上は見合いが多く、家柄など条件優先の結婚でした。恋愛結婚で性格を吟味したとしても、ルックスや安定などが重視された。お互い、“条件”の中で生活を進めてきたので、相性は二の次、三の次です。仕事も家庭もスローダウンする60代以上は、そんな条件を外して初めて夫婦の相性が問われるときでしょう」 だからこそ、お互いの自由を尊重する努力を続けることが、60代、70代の夫婦の形。それが夫婦として「正解」といえるだろう。 「それでも『この人とは寄り添えない』という決断に至ったのなら、それは2人の相性が合わないということです。これからの時代、離婚してそれぞれの道を歩むのも、選択肢のひとつだと思います。家庭内別居、仮面夫婦の高齢男
薬が6種類を超えると、副作用の頻度が15%近くに上昇。認知症が疑われた人のうち、2割は複数の薬を服用したことによる副作用だったという報告もある。 それで薬を見直したところ、物忘れや傾眠傾向などが改善。中には、寝たきりだった人が歩くようになるなど劇的によくなるケースもあるという。 「たとえば1歳児と13歳の中学生が風邪になったら、医師は体の大きさに応じて薬の量を調節して処方します。それが成人になると、そうでもありません。やせ細った高齢者と元気でふくよかな50代が同じ病気なら、同量の薬が処方されるのです。おかしいですが、それが現実。たとえ“適正”な処方量でも、高齢者に副作用が起こりやすいのは、このことも影響しているのです」 75歳以上は、24%が7種類以上の薬を服用しているというから心配だ。なるほど、薬の見直しが欠かせない。
「老化を遅らせるには、さまざまな要素が必要ですが、その中でも特に重要なことは意欲だと思います。意欲があれば、いろいろなことができますから。意欲を持ち続けるのに不可欠なのが、3つあります。脳の中では前頭葉で、ほかの2つはセロトニンと性ホルモンです」 ■散歩は毎日6000歩を 後者の2つを維持するために肉を食べることを習慣にした方がいいことは説明の通り。もうひとつの要素、前頭葉を守るには? 「精神活動の中枢である前頭葉は、新しいことが好きで、同じことを繰り返すと衰えていきます。その予防に私は、週2回の“初体験”を義務化。たとえば、ランチの弁当を新しい店で買ってみたり、歩いたことがない道を散歩したり。庭いじりが趣味なら、育てたことのない草花や野菜を植えるのもいい。そんな“小さな初体験”で十分で、とにかく“初体験”を続けること。もうひとつは、毎日の散歩です。適度な有酸素運動によって、前頭葉の萎縮が
三浦雄一郎と日野原重明の好物は? 年をとれば、だれしも若いころより意欲が低下する。決して性格ややる気の問題ではなく、生活改善を“名目”とした粗食の影響があるというわけだ。コレステロールの低下は、別の点でも意欲ややる気を奪う方向に働くという。 「先ほど触れたようにコレステロールは性ホルモンの材料になるため、血中のコレステロールが少ないと、男性ホルモンも少なくなるのです。その中でテストステロンは性機能だけでなく、意欲にも密接に関係。その分泌が減ると、周りへの関心や集中力を失い、活動意欲が低下するため、元気もやる気もない老人になってしまうのです」 男性ホルモンの分泌を守るためにも、肉を食べてコレステロール値をある程度キープすることが大切なのだ。プロスキーヤーで登山家の三浦雄一郎さんは80歳を越えても500グラムのステーキを平らげ、105歳の長寿を全うした聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんも週
■粗食はやめて肉を食べよう そのチョイスとして大きな意味を持つのが、生活習慣病とのかかわり方だ。年を重ねると、コレステロール値や血圧などの数値が高くなり、脂質異常症や高血圧などの持病が一つや二つはあるのは当たり前。中高年はそれらの数値を改善しようと、かかりつけ医の勧めで脂肪や塩分を控える食事を心掛けたりしているかもしれない。 「WHOの基準で肥満はBMI30以上です。米国は、男女とも30%以上がその基準を上回り、死因のトップは心筋梗塞。肥満大国ゆえの現実で、研究結果の裏づけがあるメタボ対策に励むのはある意味当然でしょう。しかし、日本でBMI30以上は5%程度と少なく、死因のトップはがんです。死因の割合は、心筋梗塞と脳卒中を加えても、がんを下回っています。その根本的な違いがありながら、日本では欧米主導のメタボ対策がまかり通っています。肥満大国の理屈が、痩せている日本人に当てはまるのか。結論か
■80代前半でも8割が自立 「介護保険事業状況報告(年報)」(2020年版)によると、要介護認定された割合は、年齢が上がるにつれて増えていて、「65歳以上74歳以下」が4.5%、「75歳以上84歳以下」が18.7%で、「85歳以上」は59.1%に急増する。 平均寿命は男性81歳、女性88歳で、人生100年時代が目前。85歳以上の要介護率の高さに目を奪われるが、80代前半まではせいぜい2割でしかないことが見て取れるだろう。 「要介護率のデータを裏返すと、80代前半でも8割が自立した生活を送っていることになります。つまり、その年代までなら、持病があっても致命傷にならず、介護を受けずに生活している人が圧倒的に多いということです。しかし、80歳の壁を元気に越えられるかどうかは、60代、70代の生活の仕方に大きく左右されます」
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