「オシント」という、情報機関などで使われる用語がある。「オープンソース・インテリジェンス」の略で、公開情報を収集・分析して対象に迫る手法のことだ。 ソ連時代に西側の国々は、赤の広場の軍事パレードを観閲する高官の並び順などから、クレムリン内部の権力構造を占った。これもオシントの一種と言えるだろう…
真実と偽りが二極化する危うさ オウム事件から激変した日本社会 森達也 映画監督、作家、明治大学特任教授 テレビ・ディレクター時代、オウム真理教の信者たちを被写体にしたドキュメンタリーの撮影を始めてすぐに、所属していた番組制作会社である共同テレビジョンの上層部から、オウムを絶対悪として強調する意識が足りないと注意された。その時点ではフジテレビで番組として放送されることが決まっていたけれど、局の上層部も同じ意見だと上司である制作部長からは説明された。もっと悪辣(あくらつ)さを強調しろ。オウムは日本社会に出現した絶対的な悪なのだ。 言われていることの意味がよくわからず(実は今もわからない)、曖昧な対応を続けていたら撮影中止を言い渡され、仕方なくデジタルキャメラを手に一人で休日に撮影を続けていたら、社命に背いたとの理由で解雇を言い渡された。 もっと悪辣さを強調しろとの指示の意味は今もわからないが、
「物語の過剰」で拡散されるフェイクニュース ノンフィクションと対立概念ではない偽ニュースは、ファクトか否かの問題ではない 武田徹 評論家 9月29日に財団法人大宅壮一文庫の主催によりシンポジウム「フェイクニュース時代のノンフィクション」が開催された。 司会は大宅文庫理事長にしてベテランジャーナリストの大宅映子、シンポジストとしてジャーナリストの森健、津田大介、そして私が参加した。ここではシンポジウムで言葉足らずだった部分を補いつつ、そこで語ろうとした内容を再現してみる。 「物語の過剰」という視点 フェイクニュースとノンフィクションは対立概念ではない、というのがこの議論に臨む私の立脚点だ。そのココロはと言えばどちらも「物語の過剰」という共通点がある。 ノンフィクションとは本来、フィクション(小説)ではない書籍の全てをさす出版流通用語であったが、たとえば大宅壮一ノンフィクション賞を獲得してきた
新型スマートフォン「iPhone 6」や腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」など、世界中の耳目を一手に集めた米アップルの発表会が現地時間9月9日に終わった。事前情報が飛び交っていたため、特にサプライズは無く、おおよそ想定通りの内容だった。もはや、アップルに対して情報統制も含め、故スティーブ・ジョブズ氏が率いていたころのようなわくわく感を求めるのには無理があるようだ。 だが、ジョブズ氏からバトンを受け取ったティム・クックCEO(最高経営責任者)が率いるアップルは「驚き」こそ失えど、逆に「怖さ」を帯びつつある。象徴的なサービスが端末と同時に発表された決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」だ。iPhone 6やApple Watchなどの新端末と比べれば地味だが、Apple Payが決済市場に与える破壊力は想像を絶する。NFCチップを搭載したiPhone 6やApple
2013年4月付けで法政大学社会学部メディア社会学科の准教授に着任しました。また、関西大学総合情報学部でも特任教授(非常勤)として授業を担当することになりました。 大学を卒業して徳島新聞の記者として働き始めた頃は、自分が研究者になるとは想像できませんでした。未来はどうなるか分からない。だから面白いし、可能性に満ちていると思います。 もちろん不安もあります。研究者としてやっていけるのか、面白く役に立つ授業が提供できるか、毎日寂しくご飯を食べるのは嫌だなあとか(笑)。環境を変えるのは勇気が必要ですが、ご縁を頂いたのでチャレンジする道を選びました。所属は大学になりますが、引き続き、メディアとジャーナリズムの未来を追いかけたいと思います。 ブログに出会い、徳島新聞からNTTレゾナントに転職したのは2005年でした。NTTレゾナントでの約7年は、チャンスをたくさん頂き、幅を広げることができました。g
「歴史上の偉大なジャーナリストたちのことを考えれば、その中に客観的なジャーナリストはさほど多くない」 ―ハンター・S・トンプソン アメリカで最も有名な政治ジャーナリスト・スポーツライターの一人であるトンプソンは、日本ではさほど知られていないかもしれない。だが、サッカー出版デザイナーの佐藤峰樹氏の発言を発端として巻き起こった今年はじめの騒動を知ったとすれば、トンプソンはいったい何を思っただろうか。ヨーロッパでプレーする日本人選手に関しての佐藤氏の『ツイッター』での発言は大きく炎上し、あらゆる関係者の謝罪を呼ぶことになった。 佐藤氏の発言は欧州の日本人選手とJリーグ全体に対して信じられないほど侮辱的なものだと捉えた者が大多数だった。インテルとマンチェスター・ユナイテッドという世界トップクラスの有名クラブに所属する、日本で最も人気の高い選手たちである長友佑都と香川真司に向けたあからさまな攻撃だっ
フェイスブックの使い方に戸惑う記者たち 4月27日、米カリフォルニア州パロアルトには、多くのジャーナリストが集まっていた。「Journalists on Facebook」のページが開設されたことを受け、フェイスブックが「記者がどうフェイスブックを使えばいいのか」という講義とパネルディスカッションを開催したのだ。 状況が千変万化するネットの世界で、記者がどうフェイスブックを使いこなすべきか。それがさっぱり分からない記者も多い。この日、集まってきたジャーナリストたちと話すと、戸惑いの声が聞かれた。 「フェイスブックをどうやってジャーナリズムに使っていくというのだろう」「どうやってフェイスブックが記者の手助けをしてくれるのか」 多くの記者は、「Journalists on Facebook」のページを、ジャーナリストのサークルやネットワーキングのようなものだと思っていたと話す。 だが、そうした
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