私がそう言うと、フミヒロさんは「いや。それは、ほんとにやめといたほうがいいです」と即答した。 よく考えてみてほしいと、フミヒロさんは言う。例えば1日7000円で終日玉を打ち続けた場合、時給換算すると600円を切ってしまう。また月20万円を稼ごうと思ったら29日は“出勤”しなければならない。それに打ち子は1時間おきに回転数や出玉数などを親にLINEで報告するので、慣れないとトイレや食事の時間を取ることもままならない。フミヒロさんの月35万円の稼ぎも、連日18時間近く働いてようやく得られる金額である。 なにより不安定で、いつ収入が途絶えるかわからない“仕事”だという。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年4月に緊急事態宣言が発出された際は、ほとんどのパチンコ店が休業。フミヒロさんの収入はゼロに。このときは水道代とガス代を払うことができなくなり、近くの公園でくんだ水を電気ポットで沸かし、カップラーメ