日本人の死因第1位のがん。生涯でがんになる確率は男性63%、女性47%にも達する。毎年36万人以上がこの病気で亡くなり、その数は年々増えている。国立がん研究センターの社会と健康研究センター長の津金昌一郎さんと、がん対策情報センターがん統計・総合解析研究部長の片野田耕太さんに、食生活の見直しについて聞いた。 食生活はがんのリスクにどのような影響があるのだろうか。「日本人が最も気を付ける必要があるのは塩分です。塩辛、たらこ、漬物などの高塩分食品の摂取量が多い人は、少ない人に比べて、日本人に多い胃がんを発症するリスクが高くなる。また塩分の多い食事を取り続けると、高血圧症から脳卒中にもなりやすくなります」と、国立がん研究センターの社会と健康研究センター長の津金昌一郎さんは解説する。 「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省、2015年版)では、塩分摂取量は男性で1日8g未満、女性で7g未満に抑えること