だから、自分が憤っていることや悲しんでいることを「感情的になっている」からという理由で恥じる必要はない。 あるタイプの論者は、「起こっている事実をあるがままに評価することができない人間は、つまるところ現実から目をそらしているのだ」という言い方で、世界の変貌を嘆く人々や、失われつつある正義に憤る人々を嘲笑する。 ところが、実際に彼らがやっていることを見ると、当人が「あるがままに」評価していると思っている、感情を切り離したその彼らの見方は、単に現状を追認しているだけだったりする。 であるから、 「難民に対して門戸を閉ざすという選択は、一見冷酷な施策であるように見えますが、これもまたアメリカの安全という別の理想を実現に近づけるための現実的なステップの一段階なのです」 てな調子の冷静ぶった説明を、私は信じない。 トランプ大統領の就任に反対するデモ(Women's March)が大きく報じられていた