ロシアのオレシュキン財務副大臣は「我々は2022年まで1バレル40ドルでの財政計画策定に着手した」と述べて、低価格の長期化にロシアが十分耐え得ることをアピールしている。ルーブル安も救いである。それは減産合意出来ないOPECに対する挑戦状のようにも見えるが、ロシアの財政状況がかなり疲弊していることも明らかである。 ロシアの財政赤字はGDP比4%程度に拡大する見通しで、サウジに比べれば低水準だが、依然として欧米市場での資金調達は困難であり、石油基金も来年末には底を突くとの見方もある。サウジとロシアの消耗戦に、勝者は居ないのかもしれない。となれば両者がどこかで妥協する可能性もゼロではあるまい。 サウジの早期戦略転換は無い、と確信する市場にパニック的な買い戻しが起きれば、原油価格の急反転は世界的金融緩和の終焉を想起させ、市場にはリスクオフの嵐が吹き荒れる。確率は低そうだが、それが原油に関するリスク