2022年2月23日深夜、ジョン・ミアシャイマー(75)は、シカゴ郊外の自宅で米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」掲載予定の原稿の仕上げにとりかかっていた。 原稿のテーマは、ウクライナ危機の深刻化だった。数週間前からロシア軍がウクライナの国境に続々と集結していたが、ロシア軍の幹部の話ではまだ、侵攻の計画はまったくないとされていた時期のことだ。 シカゴ大学の政治学教授であるミアシャイマーは、ヨーロッパで戦争が勃発する可能性について読者のために解説してほしいと注文を受けていたのだ。その原稿を書き上げたと思ったときのことだ。友人でもある学者のスティーヴン・ウォルトから緊急のメッセージが届いた。 「送信を押すのはニュースを見てからにしたほうがいい。何かがウクライナで起きている」 そのとき、シカゴから8000キロメートル以上離れたウクライナの国境では、ロシア軍の部隊や装甲車両が続々と国境を越
その他の要因の記録を見るといずれにも問題がある。古代から現代に至るまで、土地改革によって不平等の減る傾向が最も大きかったのは、それが暴力や暴力の脅威と結びついている時だった──そして、最も小さかったのはそれらと結びついていない時だった。 マクロ経済の危機は所得と富の分配に一時的な影響を及ぼすにすぎない。民主主義はそれ自体で不平等を軽減するわけではない。教育と技術的変化の相互作用が所得の分散に影響することは間違いないが、教育やスキルに基づく収益が暴力的な衝撃に大きく左右されやすいことは歴史から明らかだ。 四騎士に代わる平等化の手だてはあるのか 最後に、現代の経済発展がそれ自体で不平等を減らすという見解を支持する有力な経験的証拠は存在しない。四騎士が生み出すものと多少なりとも似通った成果をあげた無害な圧縮手段のレパートリーは存在しないのだ。 とはいえ、衝撃もいつかは和らぐ。国家が破綻しても、遅
そういえば、トランプ大統領も、難民は5万人まで受け入れると言っていますね。 池上:バラク・オバマ前大統領が主張していた「難民10万人受け入れ」なんてとんでもない!と、トランプ大統領は「難民は5万人まで」と目標数値を削減しました。では、日本は? 27人とか28人です。となると、トランプ大統領よりいまの日本のほうがはるかに「右翼」ということになってしまう。逆に言えば、日本を基準とすると、今度は、フランスの国民戦線もアメリカのトランプ大統領も「リベラル」あるいは「左翼」ということになりますね。それもおかしいでしょう。だから、政治の右左でいまの国際政治を語ってしまうのはミスリードを招いてしまう。 増田ユリヤ(ますだ・ゆりや)1964年、神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのコメンテーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」
50代は「平和信仰」の刷り込み強い なぜ今の50代男性には、そうした傾向が生まれてしまったと考えますか。 香山:もちろん50代男性と言っても、様々な人がいますので、全員がそうだとは思っていません。それでも、今の50代男性には、そうした傾向があると思います。それはやはり、社会や時代の影響が大きいのだと思います。 1つは、私もそうですが、子供時代から摩擦のない良い日本を経験してきた影響が大きいのではないでしょうか。生まれたときから高度経済成長期で、「黙っていても社会は発展していく」といった、もの凄く楽観的な幻想を植え付けられました。しかも、それをやるのは自分ではなく他の誰か。自分はそれを、ただ楽しめばいいんだ、といった感じでした。何かを作るのではなく、できたものを洗練させていこうと。そういった思想が強かったと思います。 私は1960年生まれですが、物心ついたときには東京五輪(1964年)があり
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