女性が少数だと、多数派である男の「男性性」が強まる 「問題は男性議員だけにあるわけではない」――。 これこそが、「トークン」の悲劇。個人の資質ではなく、環境で変わる人の心の動きがなせる悪業である。 トークン(=目立つ存在。この場合は女性)が属する集団における「トークンの数」の論理を提唱したのは米国の社会学者のロザベス・モス・カンターだが、カンターは「0」より「1」の問題性を訴えた。 男性だけの集団(=女性がゼロ)と一人でも女性が入っている集団を比べると、後者の集団の方が、男性たちはより男性性を強めた発言をしたり、仲間意識を強めるようになる。女性が聞くに堪えない性的な話題を話す頻度が増し、女性をアウトサイダーとして扱ったり、男社会への忠誠心なるものを強要する行動が明らかに増える。 紅一点の女性は、排除されるか、同化するか。はたまた、屈辱的な扱いをされることに耐えるしかなくなってしまうのである