こういったことを書くと「まさしく感情論だ。アリの一穴のエビデンスはあるのか!」と批判する人は少なくない。 なのでお答えしよう。 「過去」をみればわかる。 現在の「36協定」である。 現在の36協定は、1947年に労働基準法が制定されたとき、 「国際労働条約の 1 日8時間制を取り入れたいのはやまやまであったが、 破壊しつくされた当時の日本では8時間労働で国民の必要とする最低生活を支えることは、不可能ではないか」という疑問が出た。 1週間も激論が続いたあげく、労働組合との協定があれば25パーセントの割増賃金で時間外労働をさせることができるという結論に到達した」 と、法整備の中心的役割を果たした労働省の課長だった寺本廣作氏が, 自伝 『ある官僚の生涯』 (非売品、1976 年) で記している。 そしてまさしく“36協定”はアリの一穴だった。 戦後復興期の当時の日本では、1日の労働時間を10時間