強い吸引力は、2次電池の容量を大きくすれば確保できますが、大きな2次電池を使えば質量もサイズも大きくなってしまいます。加えて、同じ容量の2次電池でも、吸引力に電力を割いてしまえば使用時間は短くなってしまいます。さて、どうするか。同社はこの問題を解決することを目的に市場調査を実施しました。顧客に「あなたは1回の掃除に何分かけますか」という質問をしたのです。つまり同社は、1回の掃除にかかる時間だけは、強力な吸引力を発揮するように掃除機を設計しようと考えたわけです。 調査の結果、全体の90%以上が20分以内に1回の掃除を終えていることが分かりました。この結果を基に同社は、20分間は強力な吸引力が衰えずに続く商品を開発し、ヒットを飛ばすことができました。 コンセプトは開発者の思いを優先させて決定し、市場調査はそれを商品仕様に落とし込む時の参考にする。これが「ヒットを飛ばす市場調査の進め方」だと僕は
清水 勝彦 慶應義塾大学大学院教授 東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。 この著者の記事を見る
「しつもん」することで相手のやる気を引き出すことができ、コミュニケーションも円滑になる──。そんな「魔法の質問」を考案したのが、質問家、松田充弘氏だ。氏の提唱する「しつもん」は、主にビジネスシーンにおいてどのような効果をもたらすだろうか。「質問力」の第一人者である松田氏は、2013年3月21日と4月11日、ベストセラー書籍『しつもん仕事術』(日経BP社)の実践講座を開催する。[構成/野田幾子] 松田 充弘(まつだ みひろ):質問家。「魔法の質問」主宰。カウンセリングやコーチングの理論をベースに、自分自身と人に日々問いかけるプロセスを集約し、独自のメソッドを開発。質問するだけで魔法にかかったようにやる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになることから、「魔法の質問」と名づける。2004年より日刊メルマガ「魔法の質問」を開始。質問を投げかけ、参加者が答えるスタイルの「魔法の質問ライブ」を軸
私の職業は質問家です。人と会って、その人に質問をすることが、私の仕事です。よく、「質問家というのは、経営コンサルタントみたいなものですか」と聞かれます。確かに似ているところもあるのですが、決定的な違いがあります。それは、私からは「何も教えない」ということです。私は単に質問するだけ。 質問の本質は「気づき」を得ることにほかなりません。 「人にものを教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」 これはガリレオ・ガリレイの言葉です。 人を育てるのがうまい人には、 「教えない」 「質問して、本人に答えを考えさせる」 という共通点があります。 経営の神様と呼ばれる松下幸之助は、「君、どない思うんや?」という質問が口癖だったそうです。社員を捕まえてはこの質問を投げかけ、「自分で考える癖」を社員に習慣づけていきました。社長や上司から何かを聞かれれば、部下は「頼られているな」と感じてモチベーショ
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