一部に、「軍事作戦としての特攻の評価がどうだということは別にして、特攻による死を無駄死にと呼ぶことは、死者を冒涜する意味で賛成できない」という意見があることは承知している。 しかし、特攻による死を無駄死にと評価している人々は、「死者」そのものを侮辱しているわけではない。 特攻で死んでいった若者の人生を否定しているのでもない。 私自身も、特攻に従事して亡くなった兵隊の死は、無駄死にだったと考えている者だが、その私が「無駄」だったと言っているのは「死」であって、彼らの「命」ではない。 理屈をもてあそんでいるように見えるかもしれないが、大切なところなので続ける。 死者の尊厳を守ることと死者を賛美することは違う。 ある状況における死を無駄死にと呼ぶことと、それによって亡くなった死者を冒涜することも同じではない。 であるから、特攻に対して「無駄死に」という言葉を使うことを、そのまま「死者への冒涜」に