こういったことを書くと「まさしく感情論だ。アリの一穴のエビデンスはあるのか!」と批判する人は少なくない。 なのでお答えしよう。 「過去」をみればわかる。 現在の「36協定」である。 現在の36協定は、1947年に労働基準法が制定されたとき、 「国際労働条約の 1 日8時間制を取り入れたいのはやまやまであったが、 破壊しつくされた当時の日本では8時間労働で国民の必要とする最低生活を支えることは、不可能ではないか」という疑問が出た。 1週間も激論が続いたあげく、労働組合との協定があれば25パーセントの割増賃金で時間外労働をさせることができるという結論に到達した」 と、法整備の中心的役割を果たした労働省の課長だった寺本廣作氏が, 自伝 『ある官僚の生涯』 (非売品、1976 年) で記している。 そしてまさしく“36協定”はアリの一穴だった。 戦後復興期の当時の日本では、1日の労働時間を10時間
【3】6歳以上の子どももデジタルメディアの使用を制限する ガイドラインでは6歳以上の子どもたちは、時間および場所、使用するメディア(端末)に関して制限を設け、十分な睡眠や身体活動、健康に欠かせないその他の活動の妨げにならないようにと示されています。 メディアを娯楽道具として使用するとしても、優先順位をつけ、制限を設けるようにすべきであり、チャシアコス教授によれば「健全な子どもの成長には学校で過ごす時間や宿題をする時間、少なくとも1時間の身体活動の時間、そして社会的な関わりを持つ時間と、8~12時間の睡眠時間が必要になります。健康面での活動、特に睡眠や社会的相互作用、身体活動を削ってまでデジタルメディアを利用すべきではないのです」 最近ではデジタルメディアを取り巻く環境も変わってきており、対話や通信、創作活動などで活用されるという多くのポジディブな側面を持つようになっています。ただしリスク(
今年も新茶の季節になりました。今年の八十八夜は5月2日。ニュースなどで茶摘の風景をご覧になった方も多いでしょう。 お茶(緑茶)は世界に誇れる日本の文化の一つです。「この緑茶がダイエットに効く」「緑茶でうがいすると風邪の予防になる」――といったうれしい話を耳にする機会が増えました。今、緑茶の健康効果についての研究が国内外で進行しており、緑茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになっています。 2015年5月には、緑茶を飲む習慣が死亡リスクを減らし、長寿につながるという研究結果が国立がん研究センターから発表され、マスコミなどで大きく取り上げられました。 がんや循環器疾患にかかっていなかった40~69歳の男女約9万人を、約19年間にわたって追跡調査した結果、緑茶を飲む量が多くなるほど、死亡率が下がることが明らかになっています。さらに、死因別で見ると、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患では緑茶を摂取す
近年、糖分を含まない「無糖炭酸水」の市場が伸びています。アルコールの割り材として、ハイボールブームを背景に販売数が増加したと言われていますが、現在では炭酸水を直接飲用する習慣が広まり、フレーバー入りの炭酸水など、その種類は増える一方です。 炭酸水を好み、水道水やミネラルウォーターの代わりに水分補給に利用している人もいますが、気になるのは健康に対する影響です。医学博士の大西睦子さんが、最新の論文を基に考察した結果をご紹介しましょう。 炭酸水は骨を弱くする? まず、炭酸水を水と同じように水分補給に使ってもいいかという点。「炭酸水は、炭酸ガスを含む水で、通常の水と同じように体内に吸収されます。胃の中でガスの気泡が拡大するので、通常の水を飲んだときより満腹感を強く感じ、食べ過ぎ予防にもなります。ただし、運動する場合は、多くの水分補給が必要になるので、炭酸水より普通の水を飲んだほうがいいでしょう」と
週刊現代の特集「逆さま健康法」には大きな反響があった。信用に足るかどうか怪しい情報が溢れているのは、食品も同じ。身体に良かれと思っていた食生活が、実は寿命を縮めていた――。 ウコンは肝臓に悪い 二日酔い対策のため、飲み会の前にウコン入りのドリンクをコンビニで買って飲む――。ウコンは肝臓の機能を回復させ、アルコールの分解を促進するため「身体にいい」と思い込んでいる人は少なくない。ところが近年そのウコンが人によっては、健康被害をもたらしていることが明らかになっている。 「以前、全国の肝臓学会の会員施設に対して、健康食品が原因となった肝障害について調べた結果、原因の1位になったのがウコンだったのです」 こう語るのは名古屋大学大学院医学系研究科・教授の石川哲也氏だ。同氏によれば肝機能が落ちている人は、ウコンを飲むことでかえって肝障害を悪化させる危険性もあるという。 「肝機能の数値が悪いのを回復させ
正解は、(1)熟成年数が長ければ長いほど抗酸化作用が高い です。 赤ワインのポリフェノール含有量は圧倒的 日本人の食卓にすっかり溶け込み、「健康にいい」というイメージも定着したワイン。ワインの健康効果を示唆する現象として有名なのは、「(ワインを多く飲むことで知られる)フランス人は、喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」という、いわゆる「フレンチパラドックス」です。 ワインが健康効果をもたらす理由として考えられているのが、ポリフェノールの存在です。ポリフェノールは、植物が光合成によって生成する色素や苦味の成分で、活性酸素による酸化からカラダを守る抗酸化物質です。ポリフェノールは5000以上の種類があり、赤ワイン(ブドウ)に含まれる代表的なものとして、アントシアニン、リスベラトロール、タンニンなどが挙げられます。 ブドウのポリフェノールは、果皮と
善玉コレステロールを増やし、中性脂肪、悪玉コレステロールを減らす 2016/12/15 伊藤和弘=フリーランスライター 聞きたかったけど、聞けなかった…。知ってるようで、知らなかった…。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の“からだ知恵録”をお届けしよう。 最近、アマニ(亜麻仁)油やエゴマ油など、「オメガ3脂肪酸(*1)」と呼ばれる油が「健康にいい」と注目されている。 オメガ3とは脂肪酸の種類を示す言葉だ。アミノ酸が集まってたんぱく質になるように、油は3種類の脂肪酸とグリセリンでできており、そのバランスで油の性質が決まってくる。実際はアマニ油にも様々な脂肪酸が入っているのだが、特にαリノレン酸と呼ばれるオメガ3脂肪酸が多いのだ。 脂肪酸は大き
第1回 ダイエットから腸活まで、 「カテキン」の隠された効果とは? ~大妻女子大学名誉教授 大森正司さんに聞く(前編) 2016/6/6 柳本操=ライター 日本の伝統的飲み物である“お茶”(緑茶)。国内ではお茶離れが徐々に進む一方で、緑茶の健康効果についての研究が国内外で進行しており、緑茶に秘められた健康パワーが次々と明らかになっている。日経グッデイでは、最新の「緑茶の健康効果」を専門家の方々に話を聞いた。第1回目となる今回は、50年にわたってお茶研究に従事してきた“お茶博士”、大妻女子大学名誉教授の大森正司さんに、緑茶の健康効果の代名詞ともなっている「カテキン」の効果について伺った。 緑茶を飲む習慣は長寿につながる 薫り高く、心を落ち着かせてくれる「緑茶」。緑茶はおいしいだけでなく「健康にいい」という認識を多くの人が持っているのではないだろうか。「緑茶はダイエットに効くらしい」「緑茶でう
菌が生きて腸に届くことは重要? 食物繊維が腸内細菌のエサに? 2016/6/7 村山真由美=フリーエディタ―・ライター 菌が生きて腸に届くことは重要? 多くの乳酸菌は通常は胃酸や胆汁酸に晒されるため、腸に届く前に死んでしまう。ヨーグルトには、「高生存性」「生きて腸まで届く」といったコピーがよく使われているが、生きて腸に届くことは重要なのだろうか。 「繰り返しになりますが、外来の菌は簡単には腸に定着できません。もちろん一時的に腸内フローラのバランスを変えることはできるかもしれませんし、生きて腸に届き発酵を促すことでよい効果を発揮する場合には、生きて腸に届かないと効果は得られませんが、腸に届くけれど何もしないで出てくる、という菌もいるでしょう」(福田さん) また、乳酸菌をとると、免疫力アップを期待できるという話は前述したが、免疫組織を刺激するのは、菌の外膜成分や菌細胞の中にあるDNAやRNAな
春に健康診断を行う企業は多い。結果が気になっている人も多いのでは? 健診のなかでも、コレステロール値は引っかかる人が多い項目だ。今回は、コレステロールについて解説しよう。 コレステロールの目標量がなくなったワケ コレステロールを多く含む卵。健康な人はむやみに制限する必要はないが、既に高コレステロール血症と診断されている人などは、食べ過ぎないほうがいいようだ。(©George Tsartsianidis 123-rf) 「食事摂取基準」をご存じだろうか。これは、日本人が健康を維持・増進するために摂取するべき各栄養素やエネルギーの基準量で、厚生労働省により5年ごとに発表される。2010年版では、コレステロールの目標量は、成人男性は1日750mg未満、成人女性は1日600mg未満だった。しかし、2015年版では、コレステロールの摂取基準(目標量)がなくなった。 「コレステロールは体内で合成できる
40代男性の場合、7秒以下(速い)または8~10秒(普通)で10回できるようなら、生活習慣病の予防を目標とした場合の十分な筋力に達していると考えられる。一方、11秒以上かかる場合は要注意だ。 日頃の階段の上り下りで息切れがするかどうかや、ハーフスクワット(*5)を楽にできるかどうかを試してみるだけでも、自分の今の筋量・筋力の衰えを実感できるだろう。また、「筋肉年齢」「体内年齢」などと題してスポーツクラブや民間の健康チェックサービスで筋肉量を測定しているところもあるので、目安として一度、測定してみるのもよいだろう。 「普段、まったく運動をせず、下肢を中心に筋量・筋力ともに衰えた状態で突然運動をすれば、思わぬトラブルの元になるので要注意です」(櫻庭さん) では、いきなり運動をしたときに起こりやすいトラブルとはどんなものだろうか。次回(「運動不足の人は『転倒』と『遅れてくる筋肉痛』に注意!」)、
芸能界には若く見える人が多いが、中でも石田純一さんは別格だろう。とても還暦を過ぎているとは思えない。体形は30年以上変わらず、髪はふさふさ、肌だってツヤツヤしている。21歳下の理子夫人は2012年の男の子に続き、この3月に女の子を出産。つまり、62歳離れた子どもができたわけだ! その若さの秘密はどこにあるのか? 日経Gooday編集長・寺西 芝がインタビューした内容から、3回にわたって「石田純一のアンチエイジング術」を紹介しよう(1回目の記事はこちら)。第2回は運動の話を中心に――。 カラダだけでなく、頭と心も動かす 石田さんの若々しさを支えている「健康の秘訣」とは何でしょうか? 石田 運動で「体を動かす」、本を読んだり勉強したりして「頭を動かす」、それからワクワクドキドキする楽しい時間を持って「心を動かす」ことでしょう。若い女性にドキドキしても問題があるので、今は妻に何度も恋をするように
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