秋田市から北へ約30kmの五城目(ごじょうめ)町は人口約9000人、主な産業は農業と、どこにでもありそうな田舎町だ。だが今、ベンチャー企業や若者が日本中から集まっている。世界を見渡せば全米から若者が集まる、自然豊かな米オレゴン州ポートランドが注目を集めるが、五城目はまさに“日本のポートランド”を目指しているかのようだ。 仕掛け人は東京出身で、教育・コンサルティング業「ハバタク」を営む丑田(うしだ)俊輔さん(32)。地方で豊かに暮らすという、ミレニアル世代の新しいライフスタイルのあり方も提案している。 丑田さんと五城目町との縁は慶應義塾大学在学中にさかのぼる。町と姉妹関係にあり、住民の相互交流事業などを行なっている東京都千代田区が立ち上げた、ベンチャー企業やNPO団体がオフィスをシェアする「ちよだプラットフォームスクウェア」に協力したことだった。 五城目町でも廃校になった旧馬場目小学校を、千