意外なことに、コミュニケーションの量(時間や頻度)やコミュニケーション相手の人数に、組織の幸せとの関係はまったく見出せなかった。これらと幸せとの間には、ごく弱い相関さえもなかった。 このことが表しているのは、一般論として、「コミュニケーションが多ければよい組織になるわけではない」ということである。コミュニケーションの量は、状況によって、ちょうどよいレベルがあるので、一律に増やせばよいわけではない、ということがわかったのだ。 たとえば、プロジェクトの開始時に、新しく人が集められた状況を考えよう。仕事上、同僚になった人がどんな人で、どんなことが得意で、質問に対しどんな反応をしがちか、などは、最初はわからない。このようなときには、コミュニケーションを大いに増やすべきであるし、それができるかどうかで、仕事の進み方も大いに変わるであろう。 一方、プロジェクトが終盤で、すでに決まった仕様に沿って、各人