このことをもう少し整理してみましょう。戦略的思考、ロジカルシンキングと呼ばれる思考法は、原因を特定することで問題解決をはかろうとするアプローチです。原因を特定して解決される問題は「技術的問題」といいます。これらの思考法は、技術的問題には有効です。 それに対して、問題の因果関係に人間の行動が介在し、その行動変容が求められる場合、それは「適応課題」といいます。適応課題の場合、因果関係を特定して解決することはかなり困難になります。 たとえば、離職率の増加という問題があったとしましょう。そのとき、離職する人やその周りの人になぜ離職するのか、そこに何が問題なのかというWhyを問い詰めても有効な解決策に至ることは少ないでしょう。 まず調査する時点でいますぐに辞めそうな人にインタビューすることはできないし、すでに辞めてしまった人にアプローチしても協力してもらえる可能性は低いでしょう。 では辞めた人の同僚