私はこれまで、750社以上の経営指導をしてきました。その中で、B/S(貸借対照表)の数字を見たことがある社長は、わずか3%程度。それ以外は経理部に丸投げがほとんどです。 決算時にP/L(損益計算書)の数字だけを見て、「売り上げが出ているから大丈夫」と安心している社長が実に多い。 ですが、売り上げのすべてを前金でいただく会社や粗利益率100%の会社でもないかぎり、売り上げが上がると、資金繰りは悪化する。「支出が先、入金があと」だからです。 売り上げ、仕入れ、給料といったP/Lの数字を見ても、「会社にいくら現金があるか」はわかりません。会社の現実は、すべてB/Sに記されています。経営で最も大事なのは、「現金(現金同等物)」です。P/Lが赤字でも、支払いにあてる現金があれば、会社は存続できます。 B/Sの右側にある「負債および純資産の部」には、支払手形、買掛金、経費未払金など「資金をどこから、い