原発の再稼働か、電力値上げか。電力会社が国民に「究極の選択」を迫っている。 電力会社の2014年3月期の決算が出そろった。電力5社が3期連続の最終赤字を計上。原子力発電所の稼働停止で、火力発電向けLNG(液化天然ガス)などの燃料費が膨らんだためだ。 実質国有化されている東京電力は4期ぶりの最終黒字に転じたが、政府からの支援金なしには経営が成り立たない。東日本大震災前に比べ、電力会社のLNGの調達額は東日本大震災前に比べ3兆円以上も増えた見込みで、過去最悪の貿易赤字の主因となった。 原発の再稼働が見通せない中で、電力会社は収益を改善するために電力値上げの必要性を訴えている。 この究極の選択を迫る姿勢には疑問が残る。本当にコスト削減策は尽くされたのだろうか。これからの燃料費削減として主に3つの対策が検討されている。①他社との共同調達の拡大、②諸外国との連携、③北米からシェールガスの輸入だ。東日