結論を述べる。 詐欺師とコメンテーターという、よく似た資質を要求される対照的な仕事を割り振る上で、大切なのは、コメンテーターを起用する側のリテラシー(鑑識眼)だ。 詐欺師もコメンテーターも、人間を扱う仕事で、だからこそ彼らは、人を誘惑するのが上手だ。 とすれば、その彼らを起用する側の人間は、それ以上に人間を見る目の達人であらねばならない。 この何年かの間に、「メディア・リテラシー」という言葉をメディアの人間が平気な顔で使う場面に遭遇してびっくりしたことが何度かある。 メディアの人間がメディア・リテラシーを語ることは、評価される側の人間が評価の仕方を教えている話型の説教になる。これは、話のスジとしておかしい。個人的には、「ラーメンの味わい方」みたいな説教ポスターを店内に掲示しているラーメン屋みたいな傲慢さを感じさせて、大変によろしくないと思っている。 受け手の側から見た「メディアの読み取り方