先行き不透明な時代にこそ求められるのがロジカルシンキング。右肩下がりの日本で、自分のキャリアをどう高めていけばいいのか。そんな問題に答えを出すには、複雑な社会の動きをシンプルに理解することが必要。物事の因果関係を整理し、問題解決の方策を練り上げるクリエーティブな思考力が不可欠だ。 ロジカルシンキングの第一歩は仮説の構築。仮説とは、文字通り仮の説明。目の前にある事実から推論をひねり出す作業だ。例えば、「待ち合わせをしている友人が来ない」という時に「約束を忘れたのかな」と想像する原因探求型の仮説もあれば、「社会保障の財源が足りない」という現実を前に「消費税率を上げるべき」と考える問題解決型の仮説もある。 ここで例題。下のグラフ1は、日本の離婚率(人口1000人当たりの1年間の離婚件数)に関する厚生労働省の統計。1960年代半ばまでは0.8以下だったのが、じわじわと上昇し、98年には1.94を記