「私はこれからどう生きていったらいいのか、真剣に考えています」 「子どものために、次の世代のために、私たちは何ができるのでしょうか」 取材の中で会う人々から、思いがけず哲学的な問いが発せられることがある。それは珍しくなく、震災後に人々が生き方を模索していることを痛感させられる。生きる中で発せられる、命や環境についての問いが、心の中から湧き出しているのだ。 原発による放射能汚染と「原子力ムラ」、福島のお母さんたちの活動や行動、そして次の世代。今、フクシマで起きていることについて、環境倫理学、生命倫理学、応用倫理学の第一人者で、来月には新著『災害論 安全性工学への疑問』(世界思想社、11月10日発行)を上梓する哲学者の加藤尚武氏にぶつけてみた。 加藤氏は原子力委員会専門委員、日本哲学会委員長などを歴任、新著では「原子力発電のコスト」「『原子力ムラ』の存在」「原発事故とリスク・コミュニケーション
(前回から読む) メルケル政権は、「2022年末までに原子力発電所を全廃する」と決断するにあたって、次の2つの委員会に意見を求めた。 ・原子炉安全委員会(RSK) ・安全なエネルギー供給に関する倫理委員会 前回の当コラムでは、RSKが 鑑定書の中に「ドイツの原発には安全性に問題があるので、直ちに止めるべきだ」とは一行も書かなかったことをお伝えした。むしろRSKは「ドイツの原発は、航空機の墜落を除けば、比較的高い耐久性を持っている」と主張し、「福島の事故で得られた知見に照らすと、ドイツの原発では停電と洪水について、福島第一原発よりも高い安全措置が講じられている」と評価したのである。 日本の読者の皆さんの中には、「原子力のプロである技術者が原発の停止を勧告していないのに、なぜドイツ政府は脱原発に踏み切ったのだろう」と不思議に思われる方が多いかもしれない。 ドイツでも、RSKが、原発の危険性を指
まず、討論会を開催して下さった東京大学大学院人文社会系研究科哲学研究室の皆様、そして参加して下さった皆様に深く感謝します。当日の議論について私なりにまとめてみます。島薗先生が要点の一部をtwitterで、また実況中継風には@gnsi_ismrさんを中心としたtogetterが立っていますが、twitter/togetterで伝えられることには限界があること当日モデレータをしてくださった一ノ瀬さんご本人が議論を理解していないことを各人の提題が終わってディスカッションが始まったときに表明したことから、おそらく、「わからないことをわからないとみなす」というご本人の宣言に従って(それにもかかわらず司会を続けられたのは一ノ瀬さんの責任感からなのでしょう)、この討論会の内容については今後あまり言及なさらない/できないのではないかと推測されることから、参加したそれぞれがまとめるのがよいと考えたからです。
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