橋爪:労働者も、単純なマニュアルワーカーが増えるだけで、管理職が必要なくなって、ホワイトカラーがいなくなり、ブルーカラーはホワイトカラー並みの収入を得るということもなくなり、中産階級が総退場していった。そして、すべての富を得るスーパーリッチがほんの一握りどこかの国に出てくるだけで、あとの大半以上は裕福ではないという、そういう世界に近づいているわけです。 もしこのとおりだとすれば、リベラルデモクラシーって、いいことあんまりないですよね。夢も希望もない、貧しい不満たらたらの若者が出てくるだけだ。そして、知力のある人たちは、大学や大学院に行って、ローヤーになったり、エンジニアになったり、サイエンティストになったりして、スーパーリッチの取り巻きになって、おこぼれをもらう。こういう世界が一番効率的とされているんですよ、今は。 大澤:圧倒的非対称の世界というやつですね。 中国共産党が世界の「配分」を決