矢部:秀吉の奥さんの寧々さんにも優しい言葉をかけています。戦いで最も大事なのは兵隊、人ですから、締めるところは締めつつも、気を遣うところには遣っていました。 入山:近江商人も戦国武将も持っていた、人を大事にする心を日本企業が忘れてしまっているのはなぜでしょうか。 矢部:文明開化で欧米に目が向いたからでもあるし、QC(品質管理)手法など米国流のやり方を取り入れ過ぎたからでもあるでしょう。といったことを、入山さんもどこかでおっしゃっていませんでしたか。 矢部輝夫(やべ・てるお)氏 合同会社おもてなし創造カンパニー代表。前JR東日本テクノハートTESSEIおもてなし創造部長。東日本旅客鉄道「安全の語り部(経験の伝承者)」。1966年、旧・日本国有鉄道入社。以後、電車や乗客の安全対策を専門として40年勤務し、安全対策部課長代理、輸送課長、立川駅長、運輸部長、指令部長の職を歴任。2005年、鉄道整備