さらに同社は、理論値生産の発想を省エネルギー活動に応用した「理論値エナジー」手法を考案。同社浜北工場(浜松市)にある二輪車エンジン用クランクシャフトの加工ラインでは、同手法を適用することで2020年から2022年までの3年間で2019年比約3割の消費電力削減を達成した*。 しかも驚くことに、「新たな省エネ設備や特別な技術は導入していない」(同社生産本部製造技術統括部の松村正也氏)。実施したのは、主に電力の見える化と加工プログラムの修正だけ。「ほとんどコストがかかっていない。やろうと思えば誰にでもできる」(同氏)という。 理論的に正しい姿を目指す「理論値○○」 ヤマハ発動機浜北工場での取り組みを紹介する前に、理論値生産の考え方を説明しておく。理論値生産とは、作業を「価値」と「無価値」に分類し、価値ある作業のみを残した究極の姿、すなわち“理論的に正しい姿=理論値”を目指す取り組み。 例えば、組