彼の会社では、数年前から成果主義を導入した結果、社内の人間関係が悪化。だが、社長はそれを問題視しながらも、成果主義をやめることはできなかったというのだ。 「それまでの年功賃金か、成果次第の歩合制かを選べるようになった。歩合制は基本給が減る変わりに、トップセールスの社員には毎月10万円のボーナスが出る。ほとんどの社員が歩合制を選びました。10万は大きい。それに釣られたんです。 成果主義で、確かに会社の業績は上がりました。 みんな目の色が変わったし、社内の活気も出ました。給料が上がる人も結構いました。 でも、ウツになる社員も増えた。互いの足をひっぱったり、密告が増えたり……、とにかく醜かったです。 でも、社長は方針を変えないばかりか、競争を激化させた。成果主義の副作用を問題にしてるのにトップセールスのボーナスを上げたんです。また、ニンジンをぶら下げれば、事態が好転すると思い込んでいるのでしょう