■ただの出来事に何者かの意図を感じてしまう「エージェント性」 もう一度、あなたは狩猟採集時代における原始人で、目の前の草むらがガサガサゆれたというシナリオを考えてみよう。 あなたは狩猟採集時代の原始人で、100万年前のアフリカのサバンナを歩いているとする。そこで、目の間の草むらの中でガサガサという音が急に聞こえる。あなたはそこで瞬間的に考える。 草むらのなかにいるのは、危険な肉食動物だろうか。あるいはただ単に風が吹いただけだろうか。このとき、草むらの音が肉食動物だと考えて、実際はただの風だったら、あなたの予想は間違っていてタイプIエラー(偽陽性)であった。 もしそうであれば、あなたは殺されることなく、ただ単に逃げることのコストがかかるだけである。そして逆に、あなたは目の前の草むらから聞こえたガサガサという音を、単に風が吹いて草むらが揺れたことで発せられた音だと判断したが、実際には、その草む