50代男性の自殺に思う「人生の午後」の課題 ダウンサイジング、ペースダウンの勇気とスキルを 香山リカ 精神科医、立教大学現代心理学部教授 3月7日、近畿財務局の男性職員が神戸市灘区の自宅マンションで自殺しているのが見つかった。男性は50代、財務省近畿財務局で森友学園への土地売却の交渉をしていた職員の部下にあたる上席国有財産管理官だった。遺されたメモには、「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた」「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「このままでは自分1人の責任にされてしまう」などと書かれていたことが報道で明らかになっている。 また、今国会では裁量労働制も大きな問題となっているが、その中で裁量労働制を違法に適用したとして厚生労働省東京労働局から特別指導を受けた野村不動産で、2016年9月に社員が過労自殺していたことが明らかになった。東京本社に勤務していたこ