揃いのジャンパーを着た職員たちは、自分たちが担当する福祉の対象である人々全員の目に入るカタチで、「不正受給」を攻撃するジャンパーをあつらえていた。 私の目には彼らの態度は、スタンフォードの監獄実験が示唆していた通りのものに見える。 すなわち、他人の生殺与奪の権を持たされた人間は、相手に対して嗜虐的にふるまうようになるということの典型的な実例を、彼らは体現していたわけだ。彼らは、自分たちが握っている権益をチラつかせて、支配下にある人間をなぶることを楽しんでいた。 で、NHKは、その彼らの態度を正面から批判する文脈を避けた見出しをつけた。 私の目にはそのように見える。 ついでに言えばだが、より詳しいソースを見に行けばわかる通り、職員が作ったジャンパーにプリントされていた文字は、「不正受給を許さない」といったようななまやさしい文言ではない。 以下、ジャンパーに刺繍されていた文字を逐語訳してみる。