テレビのフェイク、ヘイト番組を取り締まるには? 『ニュース女子』への「重大な放送倫理違反」“判決”をめぐって 香山リカ 精神科医、立教大学現代心理学部教授 昨年(2017年)12月14日、放送倫理・番組向上機構(以下、BPOと表記)の放送倫理検証委員会が、第27号の委員会決定を意見書として公表した。意見書のタイトルは、「東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見」だ。 当日の午後、同委員会の川端和治委員長以下、今回の案件で中心的な役割を果たした3人の委員が出席して記者会見が開かれた。私は昨年までこの委員会の委員を務めていたので、関係者として会場で会見を傍聴させてもらった。理由は、一刻も早く意見書を見たかったからだ。 会場に着いて手わたされた意見書は24ページあったが、まず後ろから開き「委員会の判断」の項を探す。裁判でいえば“判決”にあたるのがこの箇所なのだ