人それぞれ違うところは認め、共通のものとできるところは合意できる感覚(=「コモンセンス」)として共有する。合意できないところは、そのまま放っておこうと。つまり「相手を変えようとはしない」こと。この心がけがとても重要です。相手を変えようとしたり、自分の私的感覚を相手に押しつけようとしたりするから問題が起こるのです。 実は、個人主義の欧米では一般的に「課題の分離」を強調する必要はありません。親子の間であっても、親は親、子供は子供と、別人格であるのが当然の社会で、もともと課題の分離がなされているからです。一方、日本など東アジアでは、いまも家族主義的であり個人主義はまだ浸透していません。家を中心に親や子の課題がくっついてしまっているのが現実なのです。 ビジネスの世界でも同様で、会社の中で上司の課題と部下の課題がくっついてしまっています。「君を見ていると、心配なんだよ」「おまえのためを思って指導して