認知症の最大のリスクは言うまでもなく加齢。誰でも年を取れば、認知症になる可能性は高くなる。しかし、90歳になっても認知機能がほとんど衰えない人がいるのも事実だ。認知症は予防できるのではないかと、これまで世界中でさまざまな研究が行われてきた。現在分かっている危険因子は何か、効果的な予防策は何か、認知症予防の最新事情について、前回に引き続き国立長寿医療研究センター理事長・総長の鳥羽研二さんに聞いた。 認知症の危険因子や、予防策については、これまでにさまざまな研究が行われ、報告されてきたが、2015年3月にスイス・ジュネーブで開催されたWHO主催の認知症会合の際、1990年1月から2012年10月までに公開された認知障害に関する247の研究報告を解析した結果が報告された(*)。 その報告によれば、認知症の危険因子とされているものの中にはかなり強い危険因子と考えられるものもあれば、現時点では認知症