障害者だけの問題ではない 障害学(disability studies) ――。 これは、1982年にアーヴィング・ケネス・ゾラたちによってアメリカで創始された学問で、その後イギリスでもマイケル・オリバーを中心として大きく発展し、日本では2000年代に入ってから、徐々に広められている。 私の専門の健康社会学は、個人と環境の関わりにスポットをあて、健康(単に病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態)について考える学問だが、障害学も同じように社会モデルに基づく。 つまり、障害学とは、従来の医療モデルが「障害そのもの」にスポットを当てるのとは異なり、「障害を生み出す社会について考える」学問である。 先日、日本における障害学の第一人者である、東京大学先端科学技術センターの福島 智教授のお話を聞く機会があった(教授は、3歳で