そして、この問題の解決策を見出すために、1987年には、米国のパシフィックノースウェスト国立研究所の客員研究員になり、米国の高レベル放射性廃棄物最終処分プロジェクトである「ユッカ・マウンテン・プロジェクト」にメンバーとして参加したのです。 それらの努力は、すべて、原子力発電と核燃料サイクルの抱える「最も致命的なアキレス腱」の問題を解決し、原発推進に懸念を表明される方々の「トイレなきマンション」の批判に応えるためでした。 すなわち、それは、原子力発電と核燃料サイクルの「アキレス腱」を「切らない」ための努力であったわけですね。 田坂:そうです。その努力とは、この日本において高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料を安全に最終処分する方法を見出すことであり、具体的には、地下深くの安定な岩盤中に廃棄物を埋設する「地層処分」という方法を実現することでした。 そのために、私は、大学や国際研究機関での研究者