前ももに位置する大腿四頭筋。年齢と共に一番衰えやすい。(©Ewelina Kowalska-123rf) 櫻庭さんによると、下肢の中でも、とりわけ筋力の衰えの目安となるのが、前ももに位置する大腿四頭筋だという。 大腿四頭筋の筋肉量は、25歳くらいでピークを迎えた後、加齢により減少し、60歳では25歳時の約60%にまで落ちる(*3)。櫻庭さんが行った研究によると、2週間ギプスを巻いて下肢の筋肉を使わないでいると、ハムストリング(ももの裏側の筋肉)の筋力は約14%衰え、大腿四頭筋の筋力は、約20%も落ちることがわかった(*4)。 大腿四頭筋は、歩く速度に関係する、体の中でも大きな筋肉の一つ。したがって、運動不足による衰えやトレーニングによる筋肉量の増加が現れやすい。 「若さというと、肌のシミや小じわなどの外見を気にしがちですが、一番大事なのは“動ける体”であることです。動かないと、加齢と共に筋