大阪急性期・総合医療センターは2022年10月、ランサムウエア攻撃の被害に遭った。電子カルテなどが暗号化され、外来診療や各種検査の停止を余儀なくされた。ランサムウエアの侵入口は給食委託事業者のVPN装置だった。攻撃者はパスワードの辞書攻撃などを駆使し、拡散を図ったとみられる。4日前のバックアップデータは残っていたが、復旧には2カ月を要した。 「電子カルテが動かない」。2022年10月31日午前6時38分ごろ、大阪急性期・総合医療センターでは、入院患者を診る病棟担当の看護師などからこのような声が相次いだ。原因はランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃だった。電子カルテシステムをはじめとした院内システムのデータが暗号化されてしまった。 大阪急性期・総合医療センターは病床数が800超に及ぶ大型病院である。地域の医療を支える重要な役割を担うが、ランサムウエア攻撃の被害で外来診療や各種検査、救急患