今世紀に入ってから、世界的に、聖職者による児童への性的虐待が明るみに出ることが増えた。近年小児性愛者であったことが判明した一人、フランスのリブ司祭(故人)は芸術の才能に長けており、絵画やステンドグラスを手がけた人物だ。その児童虐待が明らかになった今、被害者らは同司祭の「作品」撤去を求めている。 ◆小児性愛の被害者は推定33万人 仏カトリック教会内での性被害というスキャンダルが現れたことを受け、仏カトリック教会は2019年2月に「教会における性的虐待に関する独立委員会 (CIASE)」を設置し、調査に乗り出した。 2年半に及ぶ調査の末、2021年10月5日に公表された最終報告書によれば、フランスでは1950年以来、少なくとも33万人の未成年者が被害に遭ったとみられる。加害者については、過去70年間にカトリック教会に属した司祭や修道者計11万5000人のうち2900~3200人が小児性愛者だっ