ちなみに(逆に混乱するかもしれないが)本作の時代背景を補足すると、日本では年号が天保から嘉永となり、ペリーが来航。新撰組や坂本龍馬のあれこれを経て明治時代に……な頃である。 カトリック教会 VS ユダヤ人ファミリー 1800年代なかば、ローマ教皇ピウス9世統治下のイタリア・ボローニャ(教皇領)。補佐官を名乗る男と警官たちが慎ましく暮らすモルターラ家を訪れ、「何者かによって密かに洗礼を受けた」として、まだ6歳のエドガルドを連れ去ろうとする。当然ながら家族は猛反発するが、教会法ではキリスト教徒以外には教徒を育てる権利がなく(=カトリックの教育を受けさせる義務がある)、家族も認知していない洗礼が有効とされてしまったのである。