夕日が緑を染め始めても、宮城県南三陸町の高台では、土を耕すトラクターが低い音を立て続けていた。 地元住民しか知らないような小道を進んだ森林の奥で、そのプロジェクトは静かに始まっていた。 「COMMUNITY FARMING PROJECT IN MINAMI SANRIKU CHO」(南三陸町における、コミュニティーファームプロジェクト)。 筋骨隆々の男性が運転するトラクターの向こうに、作業着姿で背丈以上もあろうかという草を刈り倒していく1人の女性の姿があった。現場作業を取り仕切る、アンジェラ・オルティス氏だ。青森県のインターナショナル・スクールに勤めていたが、2011年3月11日の東日本大震災を機にボランティア活動を開始。今は社団法人「O.G.A FOR AID」の管理担当理事をしている。 土地の所有者の了承を得たうえで、黙々と草を刈り、荒れ果てた土地を開墾していく。6月末から開始し、既