東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年。日本のエネルギー政策は、今も混迷の中にある。日本のエネルギー政策はどこへ行こうとしているのか。福島第一原発事故の際に内閣官房参与として事故対策に取り組んだ田坂広志氏が、原発を中心とするエネルギーの様々な問題について、インタビュー形式で答えていく。 第1回となる今回は、経済政策では順調なスタートを切ったかに見える安倍新政権が原発問題をいかに舵取りしていくのか、そして、今後どのような課題に直面するのかについて語る。 昨年末の総選挙では、「原発維持」や「原発容認」と読める政策を掲げた自民党が勝利を収めましたが、この結果、自民党は、原発再稼働や原発新増設に大きく舵を切ると思われるでしょうか? 田坂:そうですね。安倍新政権に対しては、日本経済のために原発の再稼働や新増設を進めて欲しいという、財界や電力業界からの強い期待感もありますので、そうした観測が広がる
政府は、今年9月、原発推進を基本とするエネルギー政策を転換し、「原発ゼロ」を目指してあらゆる政策手段を動員すると定めた「革新的エネルギー・環境戦略」を策定した。なぜ政府は政策を大転換したのか。そして、いかに「原発ゼロ社会」を実現するのか。「エネルギー環境会議」の議長として、この戦略をとりまとめた古川元久・前国家戦略担当相に、前内閣広報室審議官の下村健一氏が聞いた。 下村:先月策定された「革新的エネルギー・環境戦略」は、まず明確な方向を定め、これから中身を具体的に詰めていく段階ですが、まとめ役の「エネルギー環境会議・議長」だったお立場としては、この戦略の意義をどう評価されていますか? 古川:この「革新的エネルギー・環境戦略」では、東電福島原発事故以前の「原発推進」を基本としたエネルギー政策を180度転換し、「原発ゼロ」を目指してあらゆる政策手段を動員していくと決めました。この方針の大転換と戦
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